皆さまこんにちは。佐々木漬物の御主人が青年の頃に発表した資料から、御主人の原点を知ることができました。
農業と経営に真剣に向き合った時に気が付いた、「なんで米ぬかに埋まっている畑の野菜はいつまで経っても元気なんだろう?」という疑問からぬか漬けが人間の身体にも良いということを経験から知り、こだわりの発酵ぬか漬けを作るために独学で知識と技術を身に付けていきました。
現代では「健康的な生活を支える三原則は、快食、快眠、快便」と言われています。
本日も佐々木漬物のこだわりの一つ、「酪酸菌」にまつわるお話をしたいと思います。
目次
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おさらい|酪酸菌とは
酪酸菌は「酪酸」を作り出す菌の総称を指します。
具体的に言うと、腸に届いた食物繊維を発酵・分解して「酪酸」を作ります。
動物の腸内のほか、土壌などにも棲みついています。
胃酸に強く、生きて腸まで届くと言われています。
酪酸菌が含まれる食材
現在わかっている身近な食材の中では、ぬか漬けくらいしか見当たりません。古くから日本人の腸内環境を整える働きをする腸内細菌のひとつです。
酪酸菌は”長寿菌”とも呼ばれる!?
健康長寿の高齢者は酪酸菌が優位という調査報告があるそうで、このことから最近は酪酸菌を”長寿菌”と呼ぶ方もいるそうです。
海外や日本の研究者の方々の最新研究で分かってきました。
ご長寿の方で共通していることは、腸内細菌叢(腸内フローラとも言う)で酪酸菌が多く占めているということでした。
この腸内細菌叢が互いに拮抗しているために良いバランスが保たれ、腸内環境が維持できているのではと言われています。
成功した老化の特定の特徴は、コア微生物叢のバランス、および炎症誘発活性と抗炎症活性のバランスである可能性があります。確かに、最年長の成人をユニークにするかもしれないのは、すべての高齢者に起こる炎症誘発性活性の付随的な上昇にもかかわらず、抗炎症活性を維持する(またはおそらくアップレギュレーションする)能力です。
栄養素 |全文無料 |腸内細菌叢、老化、および長寿:系統的レビュー (mdpi.com)
日本に住む100歳以上の高齢者が9万人を超え過去最多に

2022年9月16日に厚生労働省が公表した資料によりますと、100歳以上の高齢者が9万人を超え過去最多となりました。
そのうち女性が全体の約89%を占めていると言います。
(参考)住民基本台帳に基づく百歳以上の高齢者の総数は90,526,人
百歳以上の高齢者の数は、老人福祉法が制定された昭和38年には全国で153人でしたが、昭和56年に千人を超え、平成10年に1万人を超えました。平成24年に5万人を超え、今年は90,526人(前年比+4,016人)です。
また、百歳以上の高齢者のうち女性は80,161人(全体の約89%)です。百歳の高齢者へのお祝い状及び記念品の贈呈について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
- ※令和4年9月1日現在の住民基本台帳による都道府県・指定都市・中核市からの報告数
- ※年齢は令和4年9月15日現在
国内最高齢の115歳の方は、「食べる力が長寿の秘けつ」と仰ったそうです。
また世界を見渡すと、人口1万人あたりの100歳以上の数で比較するとこのような順となります。
1位:日本 5.5人
2位:ベトナム 2.86人
3位:イタリア 2.83人
4位:チリ2.8人
5位:フランス2.6人
島国日本の何かに長寿の秘訣があるように感じますね。
免疫細胞は全体の7割が腸に存在している
身体を害から守る「免疫細胞」。7割が腸に存在しています。
そしてこの酪酸菌が免疫細胞と関係しているのです。
どこかで免疫が暴走していると、酪酸菌から”ある物質”が放出され、免疫細胞がTレグ細胞へと変身します。そのTレグ細胞が暴走している免疫細胞を落ち着かせ、アレルギー症状や自己免疫疾患を抑えてくれるのです。
佐々木漬物の「こだわり」|酪酸菌が現代病と言える免疫疾患の克服のカギに!? – ピューレの森 (puree-nomori.com)
そのおかげでアレルギー症状や免疫系疾患に予防または改善効果が期待されています。
新型コロナウイルスが世界的に大流行しましたが、予防とその症例の重篤化リスク軽減において、因果関係も報告されているそうです。
ウイルスは感染しても症状を発症する人と発症しない人(不顕性感染者)がいます。また重症化する人もいれば軽症で済む人もいます。いわゆる「免疫力が高い人」ほど感染しにくい・または発症しにくいというのが、酪酸菌優位の腸内環境であることが考えられています。
このようにいわゆる「免疫力が高い」人ほど、長寿との相関関係にあると言えるわけですね。
つまり免疫力が高ければウイルスなどから身を守ることができ、そこから重症化することも防ぐことができます。
大腸がんや潰瘍性大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群など腸に関わる疾病リスクをはじめ、アレルギー症状や免疫疾患に罹患するリスクも低くなるため、結果的に疾病による死亡率が低下することが期待できると言えるでしょう。
日本人が古来から食べてきたもの
昔の日本人は玄米を常食として食べてきました。お米を精米し白米として食べるようになったのは江戸時代頃から。
海の幸や山の幸として海藻や山菜、根菜類などをよく食べていたと考えられます。
食の歴史としてもっとさかのぼると、日本人は古来から縄文時代の頃から木の実やきのこなどを食べてきました。
このように日本人は食物繊維をよく摂取していた人種と言えます。
以前の記事にも少し記載しましたが、「生海苔」は日本人しか消化できません。外国の方には生海苔を消化する酵素を持っていないのです。
逆に日本人は牛乳を飲むとお腹を壊す人もいます。「乳糖不耐症」と言って、牛乳を充分に消化できない人もいるのです。
このように人間は太古の昔から遺伝として消化酵素を受け継がれているのです。
「身土不二」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
仏教用語で「身」(今までの行為の結果=正報)と、「土」(身がよりどころにしている環境=依報)は切り離せない、という意味です。
また日本では食養運動のスローガンとして人間の身体と土地は切り離せない関係にあるということ、その土地でその季節にとれたものを食べるのが健康に良いという考え方で、明治時代に石塚左玄らが唱えました。
さいごに|見直されている和食文化

島国日本が長寿国であることは、身近な食材として食物繊維を摂取してきたことが考えられます。
さらに保存性を高めるための工夫として発酵食品が作られ、それが腸内環境を育んできたことが先祖代々、受け継がれてきているのではと思います。
2013年12月4日、「和食」が、ユネスコの人類の無形文化遺産に登録されました。
「自然の尊重」という日本人の精神を体現した食に関する「社会的慣習」をキーワードにしています。
南北に長く、四季が明確な日本には多様で豊かな自然があり、そこで生まれた食文化もまた、これに寄り添うように育まれてきました。
このような、「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」を、「和食;日本人の伝統的な食文化」と題して、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されています:農林水産省 (maff.go.jp)
今から100年以上前の、自然を尊重し粗食であった頃の食生活をされてきた先代の知恵にあやかり、私たちは和食文化を大切にし、食物繊維と発酵食品を積極的に摂取して、健康的に生きられる身体作りをしていきたいと思います。