日本人の食事摂取基準|コレステロール値の指標の謎

日本人の食事摂取基準|コレステロール値の指標の謎

皆さまこんにちは。今回はコレステロールについてお話したいと思います。前回の記事でコレステロールの話に少しだけ触れたのですが、”日本人の食事摂取基準2020”という指針が変更になったことを受けて疑念を抱いたため、調査を深堀りしていきたいと思い現段階の人体実験を途中経過ですが記録したく記事にしました。指針は5年ごとに改訂されるのですがまだまだ結論として出ない段階で、私自身も自分の体質に合う結論が出せていないものと思っています。今後も経過を追う必要があると思っている段階なので答えを求めている方には大変申し訳なく思うのですが、今の段階での推察を記載しておりますのでそのような目線で読んで頂けると嬉しく思います。

目次

コレステロール値の指標|日本人の食事摂取基準2005~2015

コレステロールは食事で摂りすぎると体に良くないと長い間ずっと言われ続けてきましたが、厚生労働省は2015 年、日本人の食事摂取基準からコレステロール値の上限を撤廃しました。コレステロール摂取の上限値を算定するのに十分な科学的根拠が得られなかったからとのことです(※体質の違いや基礎疾患を持っている方など、全員に当てはまるわけではありません)。 卵は食べすぎると良くない、せめて2個までと昔から言われてきましたがそれが死語となりました。長年信じて疑われていなかったことが覆ったことには驚きを感じました。

(”日本人の食事摂取基準”の変遷 5年ごと改訂)

2005年 (別添) (mhlw.go.jp)

目標量 男性750mg未満 女性600mg未満
※日本食品標準成分表五訂増補 全卵生420mg/100g中 …1個50gの場合210mg

2010年 untitled (mhlw.go.jp)

目標量 男性 750mg未満 女性600mg 未満
※日本食品標準成分表七訂(2010年~) 全卵生 420mg/100g 中

2015年 01. 表紙 (mhlw.go.jp)

コレステロールの摂取量は低めに抑えることが好ましいものと考えられるものの、目標量を算定
するのに十分な科学的根拠が得られなかったため、目標量の算定は控えた。
※日本食品標準成分表七訂(2015年版) 全卵生 420mg/100g 中

コレステロール値の指標| 日本人の食事摂取基準2020

そして次の2020年改訂時には「脂質異常症の重症化予防を目的とした量として、新たに200 mg/日未満に留めることが望ましい」と変更になりました。

2020年「「日本人の食事摂取基準」策定検討会」の報告書を取りまとめました (mhlw.go.jp)

コレステロールについて、脂質異常症の重症化予防を目的とした量として、新たに200 mg/日未満に留めることが望ましいことを記載。
※日本食品標準成分表八訂(2020年~)  全卵生370mg/100g中  …1個50gの場合185mg

ここで注目したいのが、日本食品標準成分表も改訂されている中、2020年に改訂された八訂では卵100g中のコレステロール値が変更になっていたのです。卵の栄養価全体が見直されていました。七訂までは卵100g当たりコレステロール420mgだったのが八訂からは370mgに減りました。卵1個50gとして換算すると185mgとなります。以前の420mgのままだと1個当たり約210mgのため、一日に1個も食べてはいけないことになるところでしたね。ほかの食材はどうなのでしょう。今回の食品成分表八訂はエネルギーの算出方法の大幅改定が最大のポイントかと思うのですが、一つの食材でこんなにも全体的に見直されるのは卵以外にもあったのでしょうか。このタイミングだけに、謎が深まるばかりです。


今回の改訂により、卵だけで言うと一日1個まで食べて良いけど、2個以上はだめということになりました。卵以外にもコレステロールを含む食材はたくさんあります。卵1個食べたらその日はたらこの場合5gしか食べられないことになります(100gで350mgのため5gで17.5mgです)。2015年の上限撤廃の時は、大きな変革だったと当時私は思いました。見直しは良いことと思います。しかし今回のように食事摂取基準と食品成分表というデータベースが同時に大幅に変わってしまうと個人的には何を信じたら良いのかわからなくなります。要は何でも偏った食べ方は良くないということなのですが、他の食材にもコレステロールが含まれているため一日1個に留めるのは、卵好きな私には振り回されてしまった気持ちもあります。

タンパク質摂取の推奨

また日本人の食事摂取基準ではタンパク質の積極的な摂取を推奨しています。今回の改訂を受けるまでは、私の場合は牛乳が苦手なので牛乳以外でこんなに食べないといけないの?と思うほどでしたので、一時期は自分の人体実験で毎日鶏のささ身をベースに他の肉、魚、卵、大豆製品でタンパク質を摂取していました。そのうち卵もほぼ毎日、お弁当に卵焼きをメインで入れる日などは3個以上になります。
ちなみに私の場合、身体活動レベルⅡとして、推定エネルギー必要量2000kcal、タンパク質中央値で82.5gです。そのため日常の食事での摂取量はだいたいこのような内容でした(食事摂取基準2015のときです)。
<鶏ささみ60g、卵2個、納豆1パック(50g)、鮭100g、豚もも肉100g> これで79.7gです(成分表七訂)。さらに白米や野菜にもタンパク質が含まれていますし他の魚肉加工品や大豆練り製品なども組み合わせて中央値を目指していました。このような食品構成でお弁当を作り始めた2年前頃からこのような食生活になりました。もちろん鮭や豚もも以外の食材との組み合わせで毎日タンパク源を変えながら実施していたのですがこれだけの量を食べるのが時にしんどい時もあり、さすがに毎日欠かさずこれだけの目標量を摂取することは出来ませんが、概ね実施していました。でも正直辛かったです。

健康診断の結果は

2019年~2020年にかけて鶏ささみを毎日たくさん食べて、卵も1日2個は食べるように意識していました。結果、2020年に行った私の健康診断の結果は尿素窒素が上がっており、総コレステロール値も基準値の上限を少しだけ超えていました。こちらに記載はないのですが総コレステロール値はそれまで検査項目の対象外で、参考までに2013年に再検査で実施した際の診断結果では171mg/dlでした。
この2020年の結果を見て私はすぐ「タンパク質摂り過ぎた…」と思いました。タンパク質を摂取しすぎても運動して筋力増量させなければ尿として流れてしまうため、私の運動量では目標量の中央値ではやり過ぎたかと思っています。また、この時の総コレステロール値が上昇しているのも、タンパク質摂取に伴ってのことかと私なりに解釈しています。この結果を機に鶏ささみを食べるのをやめ、卵も毎日2個はやめました。2021年の結果はそれを反映しているのかなと思っています。


今回の改訂を受けて卵は一日1個以下に抑えつつ、タンパク質を積極的に摂取しなくてはいけないことになり、バランスが難しいと感じています。卵は安価なため原価も気になります。
ちなみに今年の健康診断は2月に受診したのですが、それ以降の3月~直近の10月までは購入量から算出すると卵を月平均22個食べている計算になります。卵を食べない日もあるということになるのですが、ほかの食材でのコレステロール含有を考慮して一日1個以下にしているという現状です。しかし考えても答えは出ないため、来年の健康診断の結果でまた考察したいと思います。

HDLコレステロール値が高すぎ、LDLコレステロール値が低すぎ

コレステロール値に関してはもう一つずっと気になっていることがありました。私はこれまでの健康診断において、HDLコレステロール値が高くLDLコレステロール値が基準値よりも低くてE判定などでした。体質なのかもしれませんが、検査対象になり始めた2013年からずっとこの調子なので謎です。唯一考えられるのは、毎年夏にタコと貝類をたくさん食べていたためそれが影響しているのかなぁと少しだけ思っています。今は極端にたくさん食べることはなくなりましたがいつか解明したいと思っています。

HDLは善玉、LDLは悪玉と言われていますので悪いことではないと思うのですが検査結果ではどうしてもコンピューター上、基準値から外れているとA判定ではなくなるためこのように出てしまいます。ちなみに血圧は2018年から下が上昇してきていますが全体的には低めの体質かと思っています。これが今後の体調にどのように影響してくるのか、年齢とともに変化してくるものもあると思いますので自分のことを客観的に判断できるようになると良いと思っています。

さいごに

タンパク質摂取、コレステロール値、私がここ数年気になっていたこの2点に焦点を当ててお話しましたが結局のところ結論は出せません。今後の食事や生活習慣とどのように関わるのか、国の指標をベースに、これからも自分の年齢や体質とよく観察していきたいと思います。
今回は途中経過として記事にしました。現在の様子と来年の健康診断の結果を踏まえてまたお伝えできればと思っています。最後まで読んで下さいまして、有難うございました。