皆さまこんにちは。2023年9月より始まりました療養食支援サービス。2024年1月~3月の3か月分をまとめてご紹介いたします。また、腎不全食ということでカリウム摂取量を減らすために毎回野菜の下処理を行っているのですが、その方法も少しご紹介したいと思います。
前回までの経緯はこちらの記事ほかをご覧ください。
目次
設定栄養価の変更
ちらし寿司が食べたいと10月のある日にリクエストを頂き、ご用意いたしました。
そのちらし寿司が美味しくて2人で全部食べ切れた!と感想を頂けて、それ以来さらに食欲がわいてご飯のことばっかり考えるようになっちゃったわよ、と気持ちの変化、体調の変化が出ていることに私も素直に嬉しく思っておりました。
ご利用者様の嗜好に合う料理が提供できて、ご本人の食欲が上がることで体重増加に繋げていける、これがまず第一歩の目標でした。実際に5kgも増えたと仰っていて、次は制限のある一部の栄養価の摂り過ぎに注意を払いながら日々また試行錯誤を繰り返していきたいという第二段階に入ります。
2月のある日、ご利用者様からこのようなお話がありました。
「朝食時に飲んでいる牛乳をこれまで100mgにしていたが、最近は倍の200mg飲むようになった」
水分制限をしている中で、牛乳はとても飲みやすくより美味しく感じるようです。その分、食事以外での水分補給量を我慢しているとのことでした。
病院ではeGFR値ステージ4の場合、牛乳は提供しません。果汁30%以下などのフルーツジュースに差し替えています。タンパク質を抑えるためのひとつの手段です(あくまでも手段の一つにすぎませんので方針により提供する病院もあるかもしれません)。ご自宅では料理の方でタンパク質をその分制限しそれを反映させることといたしました。
手書きで書いてお渡しし、このように目安としていることをご説明しました。

調理中に野菜類のカリウムを減らす工夫
栄養価を算出するために、その都度食材の重量を図りメモを取りながら進めています。
その中でも野菜については、腎不全食のためカリウムを少しでも減らすために以下のいずれかの方法で下処理をしています。
✓茹でこぼし
病院で必ず行う手法です。腎不全食には基本的に生食野菜は提供しないように献立作成し、提供する野菜類は必ず一度茹でてから茹で汁を捨て流水処理を行っていました。それから煮物や炒め物として調理します。
✓水さらし
生食で提供する場合に処理しています。レタスやしそ葉などの葉物類はボウルなどに水を張り、15~30分程度放置しています。
✓塩もみ・絞り・流水
嗜好のひとつでシャキシャキした食感を好まれるため、サラダやお浸し、酢の物などの小鉢系ではこのような下処理を行ってから調理しています。主に胡瓜、セロリ、大根、キャベツ、白菜など、サラダ系で提供するものにこの手法で行っています。
特に胡瓜が好きで毎回提供しているのですが、野菜をカットしたあと、たとえば胡瓜1本に対し0.5gの塩をかけ、よく揉みこんで10分程度放置します。
野菜から水分が出てくるので絞ってからさらに流水で洗い流します。
以前の記事でもご紹介しましたが、初めて訪問した際に胡瓜を茹でこぼしてから酢の物にしたところ、美味しくない、食感が無いと不評で塩もみにしてもらえないかしらとのご要望に至りました。
私も栄養士業として現場で働くまでは胡瓜をボイルしたことは一度もなくちょっとした衝撃だったことを忘れていました。その時は当たり前になってしまっていましたがそれを食べる方からの直接の感想で思い出させてくれました。
上記いずれかの方法でカリウムを減らし、栄養価計算の際には食品成分表の「ゆで」を選定して計算しています。
こちらは2/24(土)と2/27(火)の時の野菜仕込み途中の様子となります。私はある程度野菜の下処理を終わらせてから調理しています。


自宅療養の継続に明るい兆しが見えつつも…
これまで食事摂取量が少なく体重減少に繋がり体力も落ちてきたところ、食べられるようになってきたことで少しずつ複合的に変化があらわれます。気持ちが前向きになり、主介護者も安堵することになり、家庭内での負担やストレスがお互いに軽減されることに繋がります。
そして室内で筋力維持のために室内歩行の時間を増やしたりと、できることを頑張っていらっしゃいました。長期療養生活に持続可能性を見出せるように希望が持てるようになります。そんな様子をご飯を作りながらおしゃべりしながら、私も嬉しく思いながら今よりも少しでも体調がよくなるようにと願っておりました。
食事サポートが微力ながらもその支えになるひとつのピースになるのであればこんなに嬉しいことはありません。今後も体調面・メンタル面ともに様子を伺いながら食事提供していけたらと思っております。
しかしそんな矢先、季節の変わり目だからか呼吸器の病気も徐々に再発してきたようで、2月頃から少しずつ食事が摂れなくなってきてしまいました。夜も眠れないほど不調に襲われ、主介護者も介護で眠れず、徐々に悪化していきそのうち訪問時にご利用者様にお会いできない日が続くようになりました。
食事は旦那様も召し上がることから、これまでと変わらず好きな酢の物と煮物を中心に用意しつつ、何もしてあげられないもどかしさを感じながらも御要望に応えながら料理をご用意する日が続きました。
少しでも元気になってもらいたくて…南瓜のポタージュ
もともと複数の疾病を抱えていらっしゃって私が訪問することになったきっかけも、同じ理由で入院して退院後にしばらく旦那様が生活全般をサポートされていたことからそのうちの食事面を御依頼いただいた経緯でした。
訪問時にご利用者様に直接お会いできる機会が減り、旦那様から状態を伺うようになりますがこうなると食事の面では何もしてあげられないことに無力さを感じておりました。3月には在宅酸素を使用するまでになり、そして末には入院することに至りました。その頃にはほとんど何も食べられなくなってしまいました。
せめて一口でも口にできるなら…と思い、南瓜のポタージュをご用意いたしました。
ミキサーやすり鉢はお宅になかったので(私が見つけられなかっただけかもしれませんが)、細かい網のザルで濾して、牛乳とはちみつと塩で味付けし、御挨拶して退室させていただきました。

またご自宅で過ごせる日が来ますように。
1月~3月 メニューと栄養価
以下は、ご用意したメニューと栄養価、メモとなります。お時間がありましたら参考までに目を通して下さいますと幸いでございます。


1/26 同じものでいいからサッパリ系がいい。1品増やしてほしい。食器ではなくタッパに入れてほしい
1/30 砂糖多い、ハンバーグは味付け要らない、汁物少なくて良い

2/6(火) 同じでいいから好きなものを食べたい
2/9(金) 最近は牛乳を200mg飲んでいる(以前は100mg)、その分の栄養価引いて料理作ることに。
2/13(火) 豚バラの脂身苦手、一度炒めてほしい。塩蔵のワカメが歯ごたえあっておいしかった

2/20(火) ココア飲みたいとのことで、カリウム含有量調べて伝える
2/24(土) はちみつの栄養価知りたい、砂糖と比較してミネラル、カリウム含有量調べて伝える

3/5(火) 会えなかった(カレー味のパン粉焼きよりも普通の味が良い。レモン汁かけるとか。次回訪問時旦那さんより感想伺う)
3/8(金) 今日は会えた
3/12(火) 会えなかった。食欲なく半分も食べられない、お粥にしている。やせてしまった

3/15(金) 昨日から在宅酸素使用。今日も会えず
3/19(火) 今日も会えず
3/22(金) 今日も会えず。起きられないとのこと。お粥、げんたラーメン、パンなど食べている
3/26(火) ほぼ食べられていないとのことで、南瓜のポタージュご用意