酒は飲んでも飲まれるな|三者三様の飲み方で何かがわかるかも?

酒は飲んでも飲まれるな|三者三様の飲み方で何かがわかるかも?

皆さまこんにちは。本日は腎臓のお話をしたいと思います。タイトルはお酒の話なのに…と他の記事も読んで下さっている方にはいつもの調子で呆れられてしまうかもしれませんが、これがきっかけとなり腎臓を患っている方の今後の食事コントロールのヒントに繋がるのではないかと思い、仮説としてまとめてみました。
最近飲む機会がまた少しずつ増えて気づいたことがあります。私は昔からお酒は弱いけど好きでよく飲んでいました。が、さらに弱くなったと感じています。お酒での失敗談は後になって笑えれば良いですが人様に迷惑をかけてしまうほどの行為は絶対にやってはいけませんよね。ですが先日、ついにやってしまいました…自分が悪いのは百も承知で、反省しかありません。一緒に飲んでた人は「酒は水のようだ」と言っています。実際にテキーラを水のように何杯も飲んでいても普通に話していて酔っている様子もなくそして普通に歩いて帰るので、こちらは量や時間とともに酔っていくのに、いつまでもシラフでいられる人と飲むお酒は楽しくないものなんだと知りました(笑)お酒の酔い方、回復の仕方には個人差がありますので比較できるものではありません。でもその人が言っていた一言が気になって調べてみることにしました。「最近、近所のおいしい漬物屋さんの魅力にすっかりハマり毎日食べている。もしかしたらそれからお酒により強くなった気がする」と。私の場合は完全に自分が悪いので自分の飲み方をきちんと正せば良いのですが今心配しているお客さんが一人いて、もしかしたら何か解決の糸口になるのではないかと思ったのです。
という訳で本日の登場人物は私、その超人、退院後の患者さん(お客さん)の三名のお話です。今回もただのブログのため参考に出来ることはなく申し訳なく思いますが、最後までお付き合い頂けると嬉しいです。

目次

退院後の食事とお酒の習慣

Pizza Tomato Basil Bread Cheesee  - u_ceb0xsd7 / Pixabay
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現在仕事で、退院後の患者さんの家に定期的に訪問しているのですがこの方が入院前と同じように今でもウイスキーをストレートで毎晩飲んでいるため気になっていたのです。自宅で具合が悪くなり自分で救急車を呼び緊急入院、腎臓の数値がとても悪くあと一歩で透析開始という状態だったそうです。それでも自宅に帰りたいからと10月末に退院して自宅にて療養されているお客さんです。私が仕事でその方のお宅に入るようになったのはその退院直後のことでした。初めはカリウム制限と塩分制限を考慮した食事作りを目的に午前中に入ることになっていたのですが(夕食時はヘルパーさんが入っています)、あまり食欲がなく、また作り置きを嫌がるため結局今は買い物と掃除がメインになっています。その方の食生活は牛乳、オレンジジュース、生果物、魚料理が好きで、特に棒鯖寿司をよく買い物で頼まれます。時々ピザやうな重の出前も取って食べるのですがどれもカリウム値が高く心配ではありました。ただもともと食欲がなく一食または多くても二食までしか普段から食べられていないため、カリウム値も塩分も上限に達することはありませんでした。しかしそうなるとエネルギー、タンパク質摂取量もその分低いためもう少し食べて欲しいと思うのが現状です。本当なら三食きちんと時間に食べて薬を毎食飲んでほしい。食べないから服薬も不規則です。そんな中で一つ気になっていることがありました。それは毎日ウイスキーをストレートで飲んでいることです。1本660mlのウイスキーが12本入った段ボールがあってそれが確実に毎日減っているのです。ただ、一か月後の血液検査では少し良くなっているとのことで、食事が摂れていない(=カリウムも塩分も摂取量が少ない)ことが功を奏しているのか?お酒を飲んでいるのに?と少し驚きました。お酒とタバコは療養中の方には絶対に摂取してはいけないと思っていたからです。実際に調べてみるとこのような記載がありました。一部抜粋させて頂きます。

慢性腎臓病には生活習慣が大きく影響していると考えられています。健康に影響を与える生活習慣の1つである飲酒は、慢性腎臓病の原因になったり、症状を悪化させたりするのでしょうか?じつは、飲酒が慢性腎臓病を悪化させるという報告はありません。逆に、適量のお酒は血流をよくして、腎機能の維持にプラスとしてはたらくことがわかっています。一般社団法人日本腎臓学会は「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013」のなかで、少量から中等量のアルコール摂取(1日10~20g程度)はeGFR値を維持し、たんぱく尿を減少させる可能性がある、としています。とはいえ、中等量以上のアルコール摂取(1日20~30g以上)に関しては、たんぱく尿を発症させるリスクが高まることも報告されています。過度の飲酒は禁物です。
1日のアルコール摂取量は20g以下に抑えるのがよいでしょう。また、適量であっても毎日続けての飲酒は肝臓に負担をかけ、それが腎臓に悪い影響をおよぼすこともあります。週に1~2日は休肝日を設けるように心がけましょう。※ウイスキーの場合、ダブル1杯(60ml)。ただし、禁酒が必要なケースもあります。肝臓疾患のある方や、糖尿病性腎症など腎臓病が進行している方、降圧剤などアルコールと相性の悪い薬を飲まれている方は、お酒を飲んでよいかどうか、必ず医師に相談するようにしてください。

飲酒は慢性腎臓病(CKD)の原因になる?|CKDと飲酒の関係について (wellunderstood-ckd.com)

飲みすぎは当然だめですし個人差もありますので一概には言えませんが、あくまでもお医者さんにご相談の上で”適量”なら良いということですね。退院後の食事量の少なさを考えたら薬のお陰もあり改善できたのかもしれません。先日一か月ぶりに病院に行ったところクレアチニンが0.1下がっている、足の浮腫も改善されていて落ち着いているとのことで2か月後の診察になったそうです。しかし胸に水が溜まっていることと、家から出ていないため足腰が完全に弱っていることを指摘されたとのことでしたので、透析開始を遅らせるために少しでも出来ることをさらに考えていけたらという段階です。尚、その方は空腹時血糖値もγーGTPも尿酸値も高いため私は絶対に禁酒すべきと思っていました。入院中であれば当然お酒もタバコもなく三食栄養価計算された食事が出てきます。そこで経過観察を経て回復あるいは現状維持のまま退院後も同様の生活を送ることがその方にとって一番望ましいことと思っていました。

病院での献立作成(腎疾患の場合)

病院で献立作成をしていた時は28日分の献立作成が苦でしたが、今となっては一方的な献立を作るだけというのはある意味気が楽なことだったと思います。特に腎疾患の献立作成というのは極端に限定的な栄養構成のため簡単な作業だったと感じます。
簡単にご紹介しますと【高エネルギー、高脂質、低たんぱく質、減塩】ということが基準になります。その上で使用してはいけない食材(生野菜、生果物)や動物性たんぱく質比を考慮することを考えながら栄養価を調整していきます。減塩食の献立をベースに初めにタンパク質の数字を合わせます。
✓タンパク質を落とす(牛乳をジュースに変更、主菜を1/2、副菜に入っているたんぱく源を外す)
✓下がりきらなかったらタンパク質量の少ない食材に変更(豚ももをバラにするなど)または主菜を1/3に減らしてみる
✓米を低たんぱく米に切り替え

✓生野菜や生果物が使用されていたらボイル野菜に変更、缶詰に変更
✓たんぱく源の多い野菜の量を減らす


その後、低くなったエネルギーをアップさせるために油脂などを追加
✓焼き物なら揚げ物、煮物なら炒り煮に調理法を変更など
✓それでも上がらない場合は朝のジュースに粉飴を溶かす

✓フルーツ缶詰に粉飴を溶かす
✓腎疾患用のデザート(クッキーやゼリー)を追加


このように順を追って栄養価を調整すると意外と簡単に数値が整います。とはいえ腎疾患の食種といってもエネルギー別、タンパク質量別に数段階に分かれることと、これの米飯ベース、全粥ベース(軟菜食)での枝分かれにも展開をする必要があるため実際には腎疾患だけでも一日につき10種類以上の展開(病院により異なります)が必要で時間もかかります。また腎疾患のためだけに変更した食材や調理法が発生するので他の食種との調理工程数も考慮しなければ、厨房内のスタッフの人数や盛付配膳業務に携わるパートさんたちの作業が煩雑になるばかりですので注意が必要です。※糖尿病性腎症はまた別の献立が必要です

このような手順で治療食展開を行っていたのですが、患者さんが退院してこのような食事を用意するというのはご自身がやるにしてもご家族にしても簡単ではないと思います。
退院した後の食事の参考にと病院の栄養士さんから頂いたという資料を見せて下さいました。飲み物や果物別のカリウム含有量、野菜別のカリウム含有量、野菜を水にさらすとどの程度カリウムが減るかをグラフに表わしたもの、各調味料やソース類の小さじ1杯分の塩分含有量、その他食事で心がけるポイントが書かれていました。
(食事で心がけるポイント)
✓エネルギー摂取のために油脂や甘いものを摂る
✓タンパク質を適正摂取(食品構成表を参考にし量を調節する)
✓塩分制限
✓カリウム制限
✓食事の計量、記録の推奨

そのお客さんは一人暮らしの男性の方ですが、食品構成表という言葉から分かりません。結局一日なにをどの位食べ合わせたら良いのか、資料を頂いても食材の組み合わせ例が記載されているわけではないため難しいものだと改めて実感しました。
なので普段よく食べている食材とその実際の分量で栄養価を足してみて、二食食べられたとした場合、これでカリウム値はギリギリ、でもこれだとエネルギーとタンパク質は足りないからまずは一日一食のところ二食にすることから始めましょうとお話してみました。
今私のパソコンにプリンターが接続できずまさかの手書きでの表となりましたが…(笑)でも少しでも、カリウム値を1500mgまで下げることがどれだけ難しいか普段食べている食事の中での目安としては伝わってくれたようです。

参考までに、他のお客さんで別の病院からカリウム値を下げるためのポイントをまとめた冊子を頂いている方もいらっしゃいました。病院によって対応は様々ですがカリウム値だけでも結局一日の合計がどの位になるのかを算出し自宅で実践することは難しく、分かる人の身近なサポートが必要ではと感じます。

カリウム値を抑えるために野菜量を減らす

また腎疾患では生野菜、生果物を提供しないことになっています。少しでもカリウム摂取量を抑えるためです。結果、便秘になりやすくなります。しかし排便が出来ないという苦しさは患者さんと直接関わる看護師さんたちでないと気づけない患者さんの悩みかと思います。一般食は野菜が一日350gになるように献立作成をしていましたが腎疾患や透析の献立は200g程度に減らして問題ないと定義していた病院が多くありました。それが病院の方針であるため仕方のないことなのですが、かといって食物繊維をサプリメントなどで添加するようなことも特段ありませんでした。直接患者さんと関わることなく働いているとなかなか患者さんの気持ちになれていなかったなぁと思っています。
私が今訪問しているお客さんも退院直後は下剤を服用していたり、今でもイージーファイバーを時々飲んでいるようなので野菜が摂れずにお通じもなく苦しんでいるのは見ているこちらも何もできずもどかしい気持ちでいます。でもそれを何とかできるように寄り添っていきたいと思っています。1か月半が経過し、少しずつ心を開いてくれているようにも感じるため、何か次の一歩に繋がることは出来ないかとずっと考えていました。

腸内環境を整えることを考える

そんな時最近毎日糠漬けを食べていると言っていた知り合いの人(超人)の一言で、アルコールとの関係性から仮設が立てられないかと思ったのです。
漬物は発酵食品で身体に良いとされています。何が良いのかと言うと発酵食品は乳酸菌のお陰で腸内環境の改善につながること、特に白菜漬けの場合、食物繊維が豊富なため乳酸菌のエサとなる食物繊維を一緒に摂取していることで整腸作用になること、発酵過程においてビタミンB群が増えること。
また非加熱のため酵素がたっぷりで、いつも購入しているというそこのお店のご主人は80歳を超えても血液サラサラ、コレステロール値も抑えられ、血圧も安定しているというのです。その漬物屋さんに先日お邪魔したのですがお肌ツヤツヤで半袖で過ごされていて、お元気そうな様子が物語っていました。

ビタミンB1は不足すると次のような症状が出ると言われています。脚気は昔の話と思ってるかもしれませんが今でもカップ麺などをメインにしている方の症例もあるようでアルコールの摂取量が多いとビタミン代謝異常で脚気になるようです。しかしこのようにアルコールを多量摂取しても、普段の食生活(糠漬け)でビタミンB群をたくさん摂取していることから身体に良い作用が働いているのかも…と本人が感じている、私もそうなのかもしれないと話を聞いて思いました。

酵素のチカラのレポートを読んで

さらにその糠漬けを食べている超人の裏付けになるような以下の記事をご紹介したいと思います。私はこの記事に大変勇気づけられました。結論を先に抜粋すると、

酵素により血液サラサラ、人体に有害なアンモニアやアルコールを分解し解毒する作用、血液の循環が保たれれば、体内に溜まった老廃物が排出されるようになり、高血圧に効果を発揮します。また、酵素にはヘモグロビンA1cを下げる効果もあるので、高血糖に悩む人にも最適です。特に、腎臓機能の低下や高血圧に不安を抱えている人は、酵素のチカラで健康をサポートすることをおすすめします。酵素にも弱点があり、実は熱に弱いという性質があるため、50℃以上の熱を加えると破壊されてしまいます。酵素はタンパク質からできていますが、そのタンパク質を作っているのが人間の体に存在する20種類ものアミノ酸です。中でもタンパク質の構成成分として欠かせない遊離アミノ酸が、生きたままの酵素には通常の酵素に比べ実に157倍も含まれているのです。遊離アミノ酸は血液に乗って体をめぐることで、毒物を分解し様々な健康効果を発揮してくれます。これにより血液の流れをサラサラにし、毒素を排出することが可能になるのです。生きたまま酵素を使用した臨床結果として、糖尿病患者さんに生きたまま酵素を3か月間摂取してもらったレポートが、医学専門誌『東方医学』に掲載されました。その結果、摂取者の血糖値が約21.1%、ヘモグロビンAlc値が約8.6%も減少したとのこと。また、患者さんの94%は何らかの体調の改善が見られたと回答しています。

慢性腎臓病の根源にアプローチ「生きたまま酵素」のチカラ (wellunderstood-ckd.com)

飲みすぎはよくないですし、また本人が酒に強いと思っていても体調の変化はあるのではないかと思っています。でも本人が調子がいいと言っているのでこちらのレポートのような作用がその人に働いているのではないかと思いました。
病院での献立作成は塩分制限のためにまず味噌汁と小付け(漬物、梅干、佃煮、ふりかけ)を外す作業から行っていました。塩分摂取は血圧上昇を引き起こす、塩分は敵だとされていて6g未満の塩分制限の献立作成には本当に苦労してきました。でも塩分摂取よりも酵素、発酵、食物繊維など。また、私が以前記事にしたように血圧上昇を抑えるにはカルシウム、マグネシウム、食物繊維など。味噌汁や漬物などを摂ろうとするとどうしても塩分摂取量も増えます。しかしこれらを排除して塩分を6g未満に抑えることが果たして正しいのかどうか…

さいごに|私の人体実験(楽しみ)がまた始まる

酒は水ではありませんがあんなに酒を飲んでもシラフな超人は私は初めて会ったので、その人の場合は例外かもしれませんがその人の秘訣をヒントにお酒で腎臓を悪くしてしまったお客さん、年々お酒を飲んで悪化する私、何か解決の糸口になるのではないかと思いました。お酒は大前提に体質によって個人差がありますが、飲み方の違いだけでなく普段からどんな食習慣や生活環境であるか、三者三様で見えてくるものがあると感じました。わざわざ記事にしなくても当然と言えば当然なのですが…でもその習慣や環境の中でも具体的に何がそうさせているのかを考えてみたときに、まずは超人に見習って私も糠漬けを食べ続けてみて、自分の体調やお酒を飲んだ時の様子を自己観察しながらこの仮説が良い方向に結び付くといいなと思ったのです。たった一人の事例をレポートにしてもエビデンスにはなりませんが少なくとも自分はどうだったかを後で振り返ってみることができます。
現在、白米に押し麦を混ぜて毎食ご飯を食べていて空腹時血糖の数値に変化が現れるか人体実験中です。2月に健康診断を予定しているのでその数字を一旦自分の中での答えにし、次の目標で発酵食品(糠漬け)の定期摂取でどうなるか私もやってみたいと思います。
お客さんは退院直後よりも良くなっていると言われているとはいえ胸の水が溜まっている心配があることと、足腰が完全に弱っていることをまずよく注意しながら少しでも病状が改善していけるようこれからも一方通行ではなく伴走型で様子を見ていきたいと思います。
仮説の話ばかりでしたが、最後まで読んで下さいまして、有難うございまいた。