飲みながらSDGs|規格外野菜を使用しておやさいバル_4月

飲みながらSDGs|規格外野菜を使用しておやさいバル_4月

皆さまこんにちは。先月に引き続き、4月にも近所のレンタルキッチンで知り合いの方に野菜料理をご用意しました。

毎週月曜日に知り合いの方同士でレンタル代を支払ってお酒とおつまみを各自購入し、持ち込みで集まって飲みながらおしゃべりしているのですが、そのうちの一回だけはさらに材料費を頂いて2品分作って提供するというシステムで始めました。
平均年齢は70歳代なのですが皆さんご自宅で夕食を済ませてから来る方や、仕事帰りに外で飲み物と食べ物を買ってから寄る方など様々で、人数は5~10名程度、ご友人同士で2時間程度集まっておしゃべりをしています。
前回の3月は10名、そして今回は14名集まって思い思いに過ごされていました。

目次

おやさいバル 4月のお品書き

今回は3種類のおやさいを使用して2品作りました。

✓長野県の郷土料理_たけのことサバ缶の味噌汁
 たけのこ
 人参
 サバ缶
 大根の葉

✓チャレンジ!備蓄用クラッカーで大根フライ
 だいこん

✓大根の皮できんぴら
 だいこん
 人参
 大根の葉
 

今回使用した野菜
 たけのこ …富里市産
 人参 …八街市産、JAS取得、B品
 大根 …八街市産、農薬不使用栽培

賞味期限間近の災害備蓄品も有効活用

千葉市では、災害時に備えて各家庭で最低3日分以上(可能であれば1週間分)の食料及び飲料水の備蓄を呼びかけています。また学校や公民館などの各避難所において初動対応用備蓄品、要配慮者用備蓄品及び避難所開設・運営用品を備蓄しているほか、拠点倉庫や分散備蓄倉庫にも食料、飲料水、災害用資器材等を配備しています。

千葉市における災害用備蓄品の整備状況等について(千葉市全体)

千葉市:災害用備蓄品の整備状況等と備蓄食料の原材料について (city.chiba.jp)
030401zenshi.pdf (city.chiba.jp)

しかしこれらの備蓄品は期限が切れると廃棄しているそうです。こちらの近隣に配備されている水とクラッカーも今年の5月以降に順次期限切れとなるため、そのまま捨てるのはあまりにももったいないのではというお話になり、お試しで有効活用してみようではないかということになりました。
他の自治体ではどのように対応されているのでしょうか。高齢者施設などではローリングストックとして日々の献立に取り入れられる食材を多めに在庫させていたり(例えば常温で置ける佃煮のりやフルーツ缶詰など)、また9月1日に「防災の日のメニュー」としてα米や他の備蓄品を使用した献立で提供したりしています。

余談になりますが、備蓄品は使い慣れていないといざという時に戸惑ってしまったり食べる側も精神的に不安定な時に口に合わなかったりします。クラッカーも、甘いのか塩気があるのか、どの程度パサパサするのか食べてみないと分からないこともあります。期限切れを理由に使ってみる、味見してみる、食べなれておく、ということは施設で働いている時から重要と教わり実際に対応していました。
またそれをどこにどれだけ保管しているのか、水は必要なのかそれともお湯や備品が無いと使えないのかなどということを厨房スタッフ以外にも周知出来るマニュアルも常備していました。いざという時は停電でパソコンも使えないため、誰でも対応できるよう紙での指示書の保管が必要なのです。

最初に提供した際にはオードブルとして提供したのですが、今回はアレンジ出来ないかと思い、結果、クラッカーを粉々にしてフライの衣として使用してみました。
水はたけのこ汁に1リットル分頂いています。

週一回の飲みの集まりから、月に一度の持ち寄り会へ…

この日は前回よりも多く集まり、中には持ち込みでお料理を持ってきて下さった方々もいらっしゃいました。普段はスナック菓子やちょっとした乾き物をお店で購入し、おつまみとしてそれぞれが持ち寄って週一回集まっています。中にはご自宅で作った手料理を持ち込みで差し入れして下さる方が時々いるのですが、そこに月に一度くらいは料理をつまみながら飲むのもやりたいという声があり始めたという経緯です。
お声がけ頂いた際に、せっかくやるならテーマを設けてスタートさせたいという個人的な思いがありましたが、私としては最終的にはそこに集まる方々のさらなる楽しみが持てる場になればいいと思っています。

1月と2月はお試しで開催し、3月より本格的にスタートさせた会ですが、この3月の時にある75歳の男性の方が「実は僕も家で時々料理を作るんだよ」と陽気に話しかけて下さいました。
会話もはずみ、そして4月に作って持ってきて頂けることになりました。それがこちらの鯛の兜煮です。

フレイル予防に大切なことは

以前の記事にも書きましたが、表面上だけ”健康寿命””介護予防”と掲げても、日常生活にリアルに取り入れられていなければきれいごとで終わってしまい、現実は寝たきりの将来が待ち受けているかもしれません。制度だけあっても活用できる体制が整わなくては意味がありません。

介護を10年続けて気がついたら自分が10歳年齢を重ねていて、気がついたら今度は自分が弱っていく。次に寝たきりになってしまうのは自分かもしれない、このまま残りの人生が終わってしまうのではないか。そんな危機感を抱いている方たちが目の前にいて、それを何とかして今からでも変えたいと真剣に考えている。

以前このお話を聞いた時のことがずっと引っかかっていて、「本当の意味のフレイル予防って何だろう」と考えていました。年齢に関係なく没頭できることや夢中になれることなんて見つけたくてもそうそう見つけられないと思っていました。でも好きなことさえあればその先に繋がると思っています。そしてそれを形にできる場があるならせっかくのこの機会を無駄にしたくありません。
今回は私にお声がけ下さいましたが、その仕組みや流れだけ定着したら、私が月に一度料理を持って行くのではなく他にもやりたいという方に作ってきてもらう方がより楽しみが広がるのではと思いました。

目的がただの手段にならないように

私も日々健康でいたいと思っています。そのために普段から食事内容に気を付け、運動とまではいきませんが一日1万歩目指して歩くように心がけています。
しかし筋トレは3か月続いたものの年明け早々挫折してしまいました。
ウォーキングが長続きしている理由は周りに緑も海もあって環境が良いため散歩自体が楽しいのと、気分転換になるからということと、あとは好きな野球を観に球場まで足を運ぶ回数が多いこと。それが歩数に繋がっていると自己分析しています。そして私の場合、球場に持っていくご飯を考えて料理をしたり、明日現地観戦に行ける楽しみを考えるだけでワクワクしたり、そのはやる気持ちが活力になっている気がします。
それでも1万歩達成しない時は無理やり夜に駅前まで散歩に出たりと目的がただの手段になることも多くありました。それがかえってストレスになっていることにも気が付きました。それ以来は毎日1万歩ではなく月間で平均1万歩達成できるようにと調整して余計なストレスはなくなりましたが、フレイル予防にという目的だけでただ食事と運動をと思っても、そこに目標や楽しみという要素がないと本当の意味でのフレイル予防にはならないのではと思っています。

もとは毎週の集まりに料理を添えてほしいというお話からでしたが、規格外野菜を使用したり期限間近の備蓄品を有効活用したお料理を提供したりと、私のテーマを興味深く知ろうとして下さる方が中にはいたり、「実は僕も家で時々料理をしてるんだ、今度持ってくるよ」なんて言ってくれると、そんなきっかけから別の楽しみに発展できることは私にとってこの上ない喜びです。そういう場があること、そしてそれを継続できることが何よりのフレイル予防に繋がると思っています。

次回はこの会を取り仕切っている「店長」が「僕も次はポテトサラダを作ってくるよ」と言って下さいました。今から楽しみにしています。